介護現場の大切な仕事に、排せつの介助があります。しかし介護士の離職利用の一つとして挙げられるほど、その作業は過酷です。

「ちょっとご意見をうかがえませんか」。先日、取引先から連絡を受けました。就寝時の被介護者の排せつを、「前兆段階」で検知可能なシステムを開発したとのこと。電波の変化で、身体の微妙な挙動をとらえて解析。情報を介護者のスマホに送信します。既存製品のように下着やおむつに、わずらわしい機器を装着する必要がない。主力事業のカーセキュリティーのノウハウを応用したそうです。

デジタル庁が発足し、デジタルトランスフォーメーション(DX)化が産業改革の鍵を握ります。介護も、DX化で恩恵を受ける分野の一つでしょう。前出の社長は「介護現場の負担軽減のため、施設の皆さんと連携したい」と意気込んでいます。かつて電子立国と言われた日本の技術陣の底力を、今こそ人間の幸福実現のために示してほしいものです。