愛知県半田市に、かつて「榊原弱者救済所」という福祉施設があったことをご存知でしょうか。私はまったく知りませんでした。

1899(明治32)年、現在の半田市に、榊原亀三郎が身寄りのない高齢者や孤児、障害者の人たちを保護する活動を始めました。取り組みは1907年、地元新聞の一面にも紹介されています。1万5千人にのぼる人たちを救済したというから立派なものです。

救済所を設けた亀三郎とはどんな人物だったのか、気になるところです。新聞紙面によると、亀三郎はなんと「博徒の親分」だったそうです。義侠心から救済所を設け、地域の有志と協力して運営を支えました。その意味で救済所は地域福祉の原点のような場所ですね。新聞記事は「なぜ愛知県民は、美しき事業を顧みないのか」と締めくくっています。

救済所の跡地は、現在は史跡公園です。気になる方は一度訪れてみてはいかがでしょか。場所はでウェブサイトなどで確認できます。